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2017/6/1
リチウムイオンバッテリー 航空機での輸送について
様々なロケ地へ常に移動を繰り返す映像クリエーターにとって、国から国へ、あるいは空港から空港へカメラ機材を輸送するのは、簡単な事ではありません。その中でも特にバッテリーの輸送については、輸送ルールの把握が不十分な状態では、空港の警備を通過する際にトラブルに見舞われる心配があります。
バッテリーを輸送しながら移動する際に起こり得るトラブルの発生を軽減させるため、アントンバウアー製品のプロダクトマネージャーであるアンドリュー・バトラー氏が注意点を説明いたします。
問:リチウムイオンバッテリーの輸送にまつわる現在のルールは、どのようになっていますか?
アンドリュー・バトラー氏(以下AB):IATA(The International Air Transport Association:国際航空運送協会)は、物品の空輸に関する規制を設定しています。まず概要として、物流サービス業者を利用した輸送を行う場合は、リチウムイオンバッテリーの充電量を定格の30%以下まで放電させた状態としなければなりません。
また、リチウムイオンバッテリーなどの危険貨物は、航空旅客機の貨物室内に積載する事ができないため、預け入れ荷物内に入れることができません。しかし手荷物として運ぶことは可能であり、その際はTSA(Transportation Security Administration:米運輸保安局)保安検査の対象となります。物流サービス業者による輸送と異なり、手荷物として航空機で輸送するバッテリーは100%充電されていても可となります。
問:リチウムイオンバッテリーは手荷物として幾つまで輸送することができますか?
AB:容量が100[Wh]以下のバッテリーについては、規制上は個数の制限はありません。しかし航空会社によって独自の方針を掲げている場合があり、注意が必要です。容量が100[Wh]を超え160[Wh]以下であるバッテリーに関しては、バッテリーを使用する機器1台に装着されたもの1つ、および予備を別途2つまで輸送することができると規定されています。(各航空会社の独自規定により、預け入れが受け付けられないケースがございます。)160[Wh]を超えるバッテリーを手荷物として輸送する事は禁止されており、物流サービス業者による輸送が必要となります。
問:この規制はいつから有効になりましたか?
AB:2017年の1月から有効になっています。
問:新規制はあらゆる輸送方法が対象となっていますか?
AB:いいえ。基本的に、リチウムイオンバッテリーの海上や陸上での輸送は規制の対象外です。
問:アントンバウアーでは、このIATAの新規制に対してどのような取り組みを行っていますか?
AB:IATAの新しい規制に対し、製品ユーザーの方々の利便性を高めるための新しい手段をご用意しております。それは、パフォーマンスクアッドチャージャー搭載された「バッテリー放電機能」です。本機能を使用する事により、バッテリーの残量を物流サービス業者による輸送に適したレベルにまで自動的に放電させることができます。
問:本規制に関する詳細情報は、どこで入手できますか?
AB:バッテリー輸送に関する最新情報は、IATAのホームページ(英語)で入手可能です。
IATAホームページはこちら
以上